MYTOWN あさお版 2020年4月1日号に、当社紹介記事を掲載頂きました。詳細については、下記よりご確認いただけます。

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物株式会社グリーニアン
人と植物が共存する豊かなライフスタイルづくり


 建物の壁を植物で覆うことで、まちなかに緑を増やす「壁面緑化」。株式会社グリーニアン(麻生区岡上)は設立から4年足らずの間に、300を超える壁面緑化事業計画に携わり、売り上げを20倍に伸ばすなど急成長を遂げている。「人と植物がもっと近くなる機会を増やし、働く人やまちの人がホットする空間をつくりたい」と話す岡田陽介代表取締役社長。
 一定基準の建物を建設する場合に、自治体により定められている敷地面積に対する緑化率を守るため、植栽や花壇の造成などを行うが、十分な広さが確保できず屋上も活用されることの多い都市部では、壁面緑化が有効手段として注目を集めている。岡田社長は建材メーカーの会社員時代から、建築士として壁面緑化事業や設計に携わってきた。2005年に開催された愛知万博により、壁面緑化の国内での認知度は高まり需要は増えているが、新規参入しても経験の少なさや植物を扱う難しさから、撤退していく会社も多いという。この分野の発展のためにも、岡田社長はこれまでに培った知識や技術を発揮する場を求め、2016年に「かわさき起業家オーディション」に応募。かわさき起業家賞、八千代銀行(現きらぼし銀行)賞をはじめ、数多く受賞したことをきっかけに、同年7月に会社を設立した。
 社員ゼロからのスタートだったが、会社員時代の実績を見込まれ、すぐに大きな仕事が舞い込むように。渋谷のランドマーク「渋谷スクランブルスクエア」をはじめ、世界を代表する建築家クルストフ・インゲンホーフェン氏がデザインを手掛けた「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」、東京多摩市の「長谷工テクニカルセンター」、横浜市新市庁舎など国内を代表する建物の壁面緑化に関わる。「建築・造園両方の知識で検討し、計画から金物の製作、かん水や排水の設備工事まで、建物に合わせてワンストップで行うノウハウがあります」。使用する苗は契約農場で生産・養生を行うことで「枯れない」壁面緑化にするなど、品質への強いこだわりも顧客からの信頼獲得につながっている。
 また、同社オリジナル製品の移動可能な庭「コマニワ」は、盆栽をヒントに不織布のプランターであらかじめ植物を生育させてから、デザインに沿って配置を決め、庭を造る。現地に植栽した場合は完成まで数年かかる庭がすぐ手に入り、好きなデザインを選ぶこともできる。同製品は羽田空港国際線ターミナルにも採用されるなど、今後の展開が期待される。
 「植物があると心が安らぐのは、人が植物により生かされているからだと思います。人が植物のあった場所に建物を作った結果、植物や自然が破壊されてきました。これを本来の状態に戻し、植物が育つことができる、緑あふれる場所を増やしていきたいです」と岡田社長は力を込めて語った。

・同社が壁面緑化を手掛けた長谷工テクニカルセンター(東京都多摩市)
・羽田空港ターミナルで同社オリジナル製品「コマニワ」を施工する様子